現状を数字で見る
2027年の富士ヒルに向けて、まず今の状態を整理しておきたい。
TrainerRoad上の参考値では、現状のFTPは216W。富士ヒルの実走では、90分218W、60分221Wくらいで走っていた。体重は71kgなので、PWRはおよそ3.11W/kgになる。
俗説として、富士ヒルで目標タイムを狙うなら、平地で3.0から3.3W/kgくらいは最低でも必要と言われることがある。もちろん体重、機材、天候、集団、ペーシングで変わるので、数字だけで決まる話ではない。ただ、今の自分の位置をざっくり見るには使える。
今回の所感としては、維持力が極端に足りないわけではなさそうだった。60分と90分の出力がそこまで大きく落ちていないからだ。
一方で、箱根、赤城、榛名と比べると、富士ヒルは踏めるところが多いコースだったのに、そこで踏み切れなかった。脚が完全になかったというより、コースプロファイルが頭に入っておらず、踏むべき場所をかなり見落としていたのだと思う。
2026年の富士ヒルで起きたこと
今回の富士ヒルでは、いくつか明確なロスがあった。
ひとつはチェーン落ち。おそらく1分から2分くらいは失った。トレインが横を通過していく場面で、ここは踏むべきだと焦り、アウターにかけようとしてうまくかからなかった。
もうひとつは脚攣りの気配。2度ほど足をつりかけて、急きょパワーを落とした。特に中盤の緩斜面でセーブすることになり、かなりもったいなかった。これは補給戦略のミスとして見ている。
ただ、これらがすべてクリアできていたとしても、1時間46分台から短縮できたのは、せいぜい1時間40分くらいまでだったと思う。
つまり、当日のミスだけで説明できる差ではない。根本的には、絶対的なパワーとPWRがまだ足りていない。
このセクションのまとめ
- FTP参考値は216W、富士ヒル実走では60分221W、90分218Wくらい。
- 維持力そのものより、踏むべき場所の把握と当日の対応に課題があった。
- チェーン落ちと脚攣りの気配は明確なロス。
- それでも、根本的にはパワーとPWRを上げる必要がある。
まずPWRを3.3W/kgへ近づける
最初の目標は、現状の3.1W/kg台から3.3W/kgへ近づけること。
体重は65.5kgくらいまで落としたい。月0.5kgペースなら、無理に削りすぎずに進められそうだ。富士ヒル本番ではカーボローディングで1から2kgくらい増える可能性もあるので、その前提で考えておく。
65.5kgで3.3W/kgを出すには、単純計算で216W程度。ただ、カーボローディング込みで少し体重が増えるなら、221Wくらいは必要になる。今の60分実走値が221Wなので、一見すると届いているようにも見える。
でも、これは「一発出せるか」ではなく、「富士ヒルのコースで、必要なところで踏み増しながら、最後まで崩れずに出せるか」の話だ。
単純なFTPだけでなく、FTP付近を維持しながら、緩斜面や集団の動きに合わせて一時的に上げ、また戻して回復する力が必要になる。
コースプロファイルを頭に入れる
次に大きいのは、コースプロファイルの把握。
今回は、周りに合わせてなんとなく漕いでいた時間が長かった。途中で脚をつりかけてテンポペースまで落とした区間があったとはいえ、最終的には脚が余った感覚もあった。
それは、力が余っていたというより、使う場所を間違えたということだと思う。
富士ヒルでは、すべての区間を同じように踏む必要はない。踏むべきところ、少し抑えるところ、集団に乗るところ、前へ出すぎないところがあるはずだ。
2027年に向けては、コースを「平均斜度の長い登り」として見るのではなく、踏む場所の連続として覚えたい。
集団走行の恩恵を受ける
富士ヒルでは、集団走行の恩恵も大きい。
単独で一定ペースを刻む力も必要だが、前にちょうどいいトレインがいるなら、それについていく力も必要になる。問題は、トレインが常に自分にとって都合のいいペースで走ってくれるわけではないことだ。
少し速い。緩斜面で踏む。前が詰まる。ペースが上下する。
そういう動きに対応するには、一定走だけでは足りない。SST付近で走りながら、一時的に上げ、また戻す。いわゆるオーバーアンダーのような負荷に慣れておく必要がある。
トレインについていく力は、純粋なFTPだけではなく、ペース変化への耐性でもある。
実走感覚を取り戻す
もうひとつ、かなり大きかったのが実走感覚。
普段の練習はZwiftを中心に室内で行っていて、富士ヒル前に外でしっかり漕いだのはハルヒルの1回くらいだった。
室内でワットを出せることと、外で坂を走りながら同じように力を出せることは、かなり違う。
坂道の角度がついたポジション。路面。周囲の人。ギア選択。補給の取り方。前走者との距離。風。カーブ。
どれも練習効果そのものとは別の話だが、本番では普通に効いてくる。最近、尾根幹を走りに行ったが、こういう実走の感覚は定期的に入れておきたい。
室内練習で土台を作り、外で使える形に変換する。その往復が必要だと思う。
ハイケイデンス癖を直す
自分には、少しハイケイデンスに寄せすぎる癖がある。
ZwiftでERGモードを使っていると、ついケイデンスを上げてトルクを下げてしまう。今回の富士ヒルでも平均ケイデンスは85rpm程度だった。
もちろん85rpmが高すぎると一概には言えない。ただ、自分の場合は、筋持久力で踏むよりも、心肺に頼って回している感覚が強い。
おそらく、自分の回すペースを高く設定しすぎていて、適切なギア選択ができていない。もう少し重いギアで、少し回転数を下げてもいい場面がある。
筋肉に負荷をかけて出力を出せるようにしないと、踏むべきところで踏み負ける。心肺でごまかすのではなく、脚で支える力も必要になる。
VO2Maxを上げる
今の自分は、FTP付近でかなりギリギリいっぱいになっている感じがある。
少しペースを上げただけで、決戦級の力を使っている。そりゃあ脚も攣る、という感じだ。
おそらく、ベース期にZ2とSSTを長くやっていたことで、しんどいところで耐える能力はある程度ついた。実際、SSTをこなすこと自体はできる。ただ、正直かなりしんどい。
これは、最大スペック限界付近をチューニングでなんとか回している状態に近いのだと思う。
だから、VO2Maxを上げたい。最大酸素摂取量を上げて、FTP付近の出力をもう少し余裕のある領域にしたい。
FTPだけを直接押し上げるというより、上限を上げることで、その下の強度を楽にする。そういう方向で考えている。
しばらくTrainerRoadで進める
練習メニューとしては、しばらくTrainerRoadを使い続けるつもりだ。
現状のプランには、SST、スレッショルド、オーバーアンダー、たまにVO2Max、数週に1度のZ2からテンポ付近の週が入っている。今やりたいこととはかなり一致している。
特に、富士ヒルに向けて必要だと思っているのは以下。
- FTP付近を維持する力
- 緩斜面で踏み増す力
- 踏んだあとに戻して回復する力
- トレインのペース変化についていく力
- 外で実際に補給しながら走る感覚
- 心肺だけでなく、脚にも負荷をかけて出力する感覚
室内ではTrainerRoadで狙った負荷を積む。外では、尾根幹や実走ヒルクライムで、コース、ギア、補給、集団感覚を確認する。
2027年の富士ヒルに向けては、ただFTPを上げるだけでは足りない。PWR、コース理解、補給、集団走行、実走感覚、ケイデンス、VO2Max。その全部を、少しずつ本番で使える形にしていきたい。